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1400万台超のベストセラー「BMW 3シリーズ」のPHV

40年を超える歴史を持つ「BMW3シリーズ」を形容する言葉は枚挙に暇がない。いわく「BMWの中核モデル」「スポーツセダンのベンチマーク」「BMWで最も成功したモデル」。バブル期の日本では「六本木カローラ」などと揶揄されたこともあった。賞賛も皮肉も、セダンのみで1000万台、ワゴンなどを含めたシリーズ全体では1400万台を売り上げた圧倒的な数字があってこそだろう。そんな「3シリーズ」が満を持して発表したプラグインハイブリッドモデルが『330e』だ。

3Lエンジンに匹敵するパワーのPHVシステム

『330e』に搭載されるプラグインハイブリッド・システムは、2.0L直列4気筒ツインパワー・ターボ・エンジンに、8速オートマチック・トランスミッションと一体化された高出力電気モーターを組み合わせている。システムのトータルの最高出力は185kW(252ps)、最大トルクは420Nm(42.8kgm)。これは、3Lエンジンに匹敵するパワーで、ヨーロッパ仕様車値で時速100kmまで6.1秒で加速させる動力性能を持つ。電気モーターはその特性から、アクセルを踏み込んだ瞬間から最大トルクを発揮するので、加速性能は通常の3シリーズよりも強烈で圧巻だろう。

シーンによって走行モードの使い分けが可能

電気モーターとガソリン・エンジンを使い分ける走行モードは3種類。「eDrive ボタン」によって選ぶことができる。
初期設定である「AUTO eDrive」は、 電気モーターとガソリン・エンジンが最適なバランスで高効率に連動する走行モード。時速約80km までは電気自動車として走行ができる。

「MAX eDrive」は、電気モーターの駆動力のみで時速120kmまで加速し、走行できるモード。電気モーターのみでも時速。最長36.8kmまで走行が可能なので、短距離の街乗りならば、電気自動車としての使用もできる。

「SAVE Battery」は、 バッテリーの充電量を減らさないように効率的な走行するとともにガソリン・エンジンによる発電を行うモード。現状のバッテリー残量の低減を抑えるとともに、バッテリーの充電量を最大50%まで増やすことが可能だ。

充電には、車両に付属している専用の充電ケーブルを利用。200V/15Aの「BMW i ウォールボックス・ピュア」から充電すれば、約3時間で充電が完了する。また、「BMW リモートApp」を使用することで、スマートフォンによる遠隔操作でエアコンを起動させ、乗車前に車内を快適な状況にしたり、バッテリーの充電状況や各種点検の実施時期、車両位置など、さまざまな車両情報にアクセスしたりすることができる。少し未来を感じさせる仕組みは、ガジェット好き男性にはたまらないだろう。

PHVでもこだわった約50:50の前後重量配分

『330e』で触れておく必要があるのは、前後重量配分だ。いわずもがなだが、3シリーズは1975年のデビュー以来、ほぼ50:50の前後重量配分と後輪駆動にこだわってきた。このドライビングファーストの思想が、「スポーツセダンのベンチマーク」とされる所以でもある。

一般的に、プラグインハイブリッド車は、リチウムイオン電池を搭載する関係上、前後の重量配分を同じにするのは難しい。しかし、『330e』はパッケージングの妙により、ほぼ50:50を実現。「駆け抜ける歓び」というBMWのキャッチフレーズに恥じない走りとなっている。

ガソリン・エンジン、クリーンディーゼルに加えて、プラグインハイブリッドが追加されたことで、新しい次元に入った、BMW3シリーズ。スポーツセダンとしてだけでなく、走りを楽しめるプラグインハイブリッド車としてのベンチマークにもなることだろう。

Text by Tsukasa Sasabayashi