新境地の王道イタリアン+スーパーフード
- 40男、至高のグルメガイド -

新境地の王道イタリアン+スーパーフード

日本では比較的人口が少ないベジタリアンや、ここ数年海外セレブを中心に増えているヴィーガン(卵や乳製品も食べない絶対菜食主義者・純粋菜食主義者)。昨今、そうした層に向けた料理を出す店が日本のカフェなどでも少しずつ増えているが、その多くは軽食に近いものが中心だ。普通にお腹を満たしたい人と、ベジタリアンやヴィーガン双方を満足させる料理を出す店となると、都内でもかなり少ない。そんな中、王道イタリアンをベースに、ベジタリアン(&ヴィーガン)も楽しめるイタリアンを打ち出す店がある。今回紹介する渋谷の隠れ家レストラン『sumile TOKYO』だ。

ベジタリアンもそうでない人も満足できる料理

渋谷と聞くと「若者の街」というイメージを思い浮かべる読者も多いかもしれない。しかし、渋谷の雑踏を抜けた先にある『sumile TOKYO』はビル最上階のペントハウス。街の喧噪と完全に切り離された空間は、渋谷にあって渋谷らしくない趣を見せる。
「もちろん若い方もいらっしゃいますが、上は50代、60代まで幅広い層の方にお越しいただいております。お客様には海外のベジタリアンの方も多いんですが、まだ日本ではお店の選択肢自体が少ないし、ベジタリアンやヴィーガンのコミュニティも狭いので、一度当店に来られた方の紹介でいらっしゃる方も多いです。実感として、近年の渋谷は欧米人の方が増えている傾向にあるんですが、当店のように主体がレストランでベジタリアンやヴィーガンにも向けた料理を出しているところはほぼないので、特に海外の方には喜ばれますね」(同店広報・後藤亜美さん)
元々は正統派イタリアンの店として2009年にオープンした同店だが、渋谷を訪れる海外客の増加や、近年のスーパーフードブームを反映する形で、現在イタリアンにスーパーフードを取り入れたシフトチェンジを推し進めているという。

「もちろんベジタリアンやヴィーガンの方のみを対象にしているわけではなく、普通に肉や魚を食べる方も一緒に来られたときに、その両者とも満足してもらえるようなイタリアン料理、メニューが当店の目指すところ。美味しいのは大前提で、契約農家から届く有機野菜のほか、乳製品を使っていない大豆のチーズ、パスタならグルテンフリーの玄米パスタなどを食材として採り入れています」(同・後藤さん)

富士山が望めるテラス席でビオワインを傾ける贅沢

一見、ベジタリアンでもヴィーガンでもない40代男性には縁のない店に思えるかもしれないが、それは早計。ディナータイムは7~8割がカップルで埋まるという事実が、肉や魚料理も含めたコースの充実ぶりを物語っている。なかでも、国内に100頭しかいない幻の最高級豚肉「梅山豚」はぜひとも味わってほしい人気メニューのひとつだとか。また、お連れの彼女が食や美に対する意識の高い女性なら、雑穀類のキヌアや、モリンガのお茶、マカパウダーや、バオバブのパウダーといった希少なものも含むスーパーフードを採り入れたメニューが刺さらないわけはない。
そして、同店のもうひとつの売りが、ビルの9階から渋谷を一望できるテラス席。富士山も拝める晴れた日の開放感もたまらないが、「夏場の夕陽が沈みゆく時間帯もキレイでオススメです」と後藤さん。
食材から味付けまで徹底的にこだわったイタリアンに舌鼓を打ちながら、テラス席でゆっくりとビオワインを傾ければ、そこが渋谷であることを誰もが忘れてしまうはずだ。

Text by Naoya Aoyagi(Seidansha)