10年に一度のスーパーカー、ポルシェ918スパイダー
- スーパーカーブランド【ポルシェ】 -

スーパーカー・ポルシェ918スパイダーが鬼速いったらありゃしない

2010年のジュネーブモーターショーでポルシェは革新的なスーパースポーツ「918スパイダー」を発表した。このクルマが従来のスーパーカーと違っていたのは、フロントとリヤに2つの電気モーターを搭載したプラグインハイブリッドシステムを備えていたことである。そのシステム合計出力は887PS。0-100km/h加速2.6秒と、異次元のパフォーマンスをスーパーカーの世界にもたらした。

スーパースポーツの系譜を受け継ぐ最速モデル

マクラーレンP1、ラ・フェラーリ、ポルシェ918スパイダー。いずれも2010年代に現れたハイブリッドシステムを搭載するスーパーパフォーマンスカーだが、その中でいち早く登場したのはポルシェ918スパイダーである。およそ10年に一度発表される、ポルシェのスーパースポーツの系譜を受け継ぐものだ。918スパイダーは、959、カレラGTに続く「10年に一度」のモデルとして注目された。

当初は3.4リッターV8エンジンと電気モーターから得られるシステム合計出力は726PS以上、0-100km/h加速3.2秒とされていたが、ポルシェはこのパフォーマンスでは満足ではなかったらしい。2011年に「918台限定」で受注を開始し、実際にデリバリーが始まるころには、システム最高出力887PS、0-100km/h加速2.6秒にまでブラッシュアップされていた。最高速度は345km/h。あのニュルブルクリンク北コースを6分57秒と、それまでの記録を14秒も短縮して市販車最速の座を奪取。発表時のプライスタグには当時のレートで、約8220万円となる68万4800ユーロの価格がつけられていた。

驚異の低燃費と先進的な電気モーターシステム

918スパイダーの成り立ちはこうだ。カーボンファイバー製モノコックにマグネシウムとアルミニウムを組み合わせた躯体に、608PSを発生する3.4リッターV8エンジンをミッドに搭載。さらに、リヤに156PS、フロントに129PSの電気モーターを搭載して、システム合計出力887PSを実現した。

これだけのパフォーマンスを発揮しながら、3.1L/100km(=32.3km/L)という低燃費を実現したというから驚くほかない。4つある走行モードのうち、標準のモードである「Eパワー」モードでは、150km/hまで電気モーターだけでゼロエミッション走行が可能だ。プラグインハイブリッドなので、家庭用電源で充電できるのも918スパイダーの先進的な部分である。
外観はカレラGTの流れを汲み、918スパイダー発表後の2012年にフルモデルチェンジされた981型ボクスター/ケイマンにも通じる。インテリアもカレラGTと似たデザインが採用されるが、特徴的なセンターコンソールにカレラGTのようなMTのシフトノブはなく、代わりにスマートフォンのような液晶ディスプレイとそれを操作するボタンが埋め込まれている。7段変速となるPDKは、ステアリング裏のシフトパドルで操作するのだ。

918スパイダーの後継モデルは2020年に登場!?

2013年からデリバリーが開始された918スパイダーは、2014年11月に最後の1台となる918台目を受注。2015年6月に生産を終了した。数は定かではないが、日本にも上陸しているようだから、どこかで見かけたことがある人もいるかもしれない。

もし、「10年に一度」のポルシェの後継モデルが開発されているとしたら、そのデビューは2020年前後になる。2010年の時点でハイブリッドスーパーカーを発表してしまうポルシェだけに、きっとまた何らかの形で私たちを驚かせてくれるに違いない。フェラーリやランボルギーニといったイタリアのライバルたちとは違う、ポルシェらしいモデルを心待ちにしようではないか。

Text by Muneyoshi Kitani