美しきイタリアの単車「ドゥカティ」魅惑のデザイン
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美しきイタリアの単車「ドゥカティ」魅惑のデザイン

「ドゥカティ」の名は、バイクファンならずとも一度は耳にしたことがあるだろう。イタリア・ボローニャに本拠を置くドゥカティは、1950年代からレース活動を続ける老舗のスポーツバイクメーカーだ。現在は日本でも人気の高いバイクメーカであるが、その大きな理由は、性能もさることながら、美しい“デザイン”にあるといっていい。現在ラインアップされる代表的な3モデルとともに、そのドゥカティ独自のスタイリングを見ていきたい。

むき身の美しさ、主力車種「モンスター」

ドゥカティのラインナップのなかでも、「モンスター」シリーズはオーソドックスな“ネイキッド”スタイルの主力車種である(メイン写真)。初代の登場は1992年のドイツのケルンショー(インターモト)。姿を現した「モンスター」は、「ドゥカティ=カウル付きのスーパーバイク」というイメージを覆すほどの衝撃を与えた。

燃料タンク、エンジン、タイヤなど、バイクを構成する最低限の部品だけで構成された「モンスター」だが、その剥き身にされた部品一つひとつに、見られることを意識した機能的なフォルムが与えられ、燃料タンクだけをみても、機能の中に思わず目を吸い込まれそうになるデザイン性がある。なにより象徴的なのは、タンクの下に位置する「トラスフレーム」だ。軽量化と高剛性化の両立を狙ったその構造は、機能面だけではなく、視覚面でもモンスターの魅力を押し上げた。

以来、空冷V型(L型)2気筒エンジンを採用し、様々なバリエーションを展開してきた「モンスター」だが、最新型の2機種「モンスター821」と「モンスター1200」では、時代のニーズや性能の向上を求めて新たに水冷V型2気筒エンジンを採用した。しかし、モンスターが持つ“むき身”の魅力は健在である。
(C)DUCATI

スポーツマインドを表現した「パニガーレ」

ドゥカティのモータースポーツ活動を鑑みれば、スーパースポーツスタイルのバイクこそドゥカティらしいバイクといえよう。これまでドゥカティは、「SS」や「パゾ」「スーパーバイク」など、数多くのスーパースポーツモデルをシリーズ展開してきた。そして現在は「パニガーレ」シリーズがその遺伝子を受け継いでいる。

かつてはブームを起こすほど、スーパースポーツ(SS)は人気のカテゴリであったが、バイク離れや昨今のアドベンチャースタイルのブームなどに押され、SSはすっかりと下火になってしまった。しかし、そのなかで高い人気と注目度を誇るのが「パニガーレ」シリーズだ。

2012年に初代ともいえる「1199パニガーレ」が登場。従来を覆すノモコックフレームの採用も話題を呼んだが、やはり人々の目を奪ったのはそのスタイリングだ。空力を計算して生まれたボディは、丸くもなく直線的でもなく、不思議と感性を刺激する。ワールドプレミアされたEICMA2012(第70回ミラノ国際モーターサイクルショー・通称ミラノショー)では、「世界で最も美しいバイクアワード」を受賞したことも、その高いデザイン性を証明している。
(C) Jensen Beeler/Asphalt&Rubber
「パニガーレ」シリーズは、登場してからまだ若いバイクではあるが、2014年初頭には弟分の「899パニガーレ」が登場し、「1199パニガーレ」は2015年「1299」に進化。そして「899」は「959」に進化を控え、今後もシリーズはますます発展していくだろう。「パニガーレ」は、“美しきSS”の代表格ともいえるバイクだ。
(C) Jensen Beeler/Asphalt&Rubber

斬新なスタイルが成功した「Xディアベル」

「モンスター」と「パニガーレ」は現在のドゥカティを象徴する2大車種であるが、もうひとつの挑戦的な車種にも触れておきたい。それが、今年導入予定の「Xディアベル」である。

2011年にドゥカティは、「ディアベル」というクルーザーを発表した。それまでのドゥカティにはないロー&ロングのスタイルで、しかもスポーツバイクにも引けを取らない走行性能を与えられたこともあり、新しいスタイルを創出したといってもいい。そして、その類を見ない迫力のスタイルは注目を浴び、瞬く間に人気車種となっていった。

昨年行われたミラノショーでデビューした「Xディアベル」は、その「ディアベル」をさらに進化したものと言ってもいい。新設計の1262cc水冷V型2気筒エンジン(日本仕様は最高150馬力)を与えられ、コーナーでの安全性を高めた「コーナリングABS」など最新の電子デバイスを装備し、走行性能がさらに強化された。
しかし目につくのはやはりデザインだ。ロー&ロングのスタイリングは重厚感があり、むき出しのトラスフレームとエンジンが機能美を表現。エンジン後部から出る2本のマフラーエンドもさりげないアクセントだ。そして「Xディアベル」のディティールでもう一つ注目したいのがリヤビュー。240/45ZR17の極太タイヤと、ショートテールが生み出す迫力の外観は、現在のバイクの中では唯一無二だ。360度どこを取っても見惚れてしまう「Xディアベル」もまた、人気車種となるに違いないだろう。
ドゥカティはテクノロジー面でもあらゆる実績を残してきたが、なぜドゥカティがここまでのメーカーに上り詰めたのかといえば、やはりデザインの面も大きいだろう。伝統を受け継ぎながらも、「ディアベル」シリーズといった新たなコンセプトのバイクを作り出し、それもやはり優れたデザイン性が評価されている。ちなみに「Xディアベル」も、2015年のミラノショーで"最も美しいバイク"に選出された。

技術面の進化も大切であるが、思わず「乗りたい」「カッコイイ」と思わせる魅力的なデザインのバイクの登場を、今後もドゥカティに期待したい。
(C)DUCATI

Text by Tetsuya Abe

Photo by (C)DUCATI(main)