「LT」の名を冠したマクラーレンの最速オープンカー
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「LT」の名を冠したマクラーレンの最速オープンカー

1997年の『F1 GTR“ロングテール”』以来、およそ20年ぶりにマクラーレンが「LT(ロングテール)」の名を復活させた『675LT クーペ』。そのパフォーマンスの高さから、限定生産された500台はすでに完売しているという。しかし、マクラーレンいわく「お客様の熱烈な要望」は尽きない。その声に応えて誕生したのが、『675LT スパイダー』だ。『675LT クーペ』の発表から1年も経たずして、「LT」を冠する第2弾モデルが誕生することとなった。

LTバッジに相応しいパフォーマンスを実現

『675LT クーペ』と同様に『675LT スパイダー』も500台の限定生産だ。心臓部には3.8L V8ツインターボ・エンジンを搭載。最高出力は675PS/7100rpm、最大トルクは700Nm/5000-6500rpmを誇り、LTバッジに相応しいパフォーマンスを実現している。ちなみに、車名の「675」は、最高出力である675psを表している。

トランスミッションは、7速デュアルクラッチ式シームレス・シフトギアボックス。ファースト・ギアでのトルク制御により、トルクが600Nmにまで高められるため、加速の最大化が可能となった。0-100km/hはわずか2.9秒で、0-200km/hまでは8.1秒で到達し、最高速度は326km/hに達する。アクセルを踏み込めば、その瞬間、体をシートに押さえ込まれるようなGを体感できるだろう。

カーボン・ファイバーを多用した軽量ボディ

この加速を可能にしているのは、パワートレインの性能だけではない。徹底した軽量化とエアロダイナミクスの最適化だ。ボディの帯部分にカーボン・ファイバーを採用。「フロントバンパー」「フロント・アンダーボディ」「サイド・スカート」、そして「リア・フェンダー」「リア・バンパー」「ディフューザー」などが、カーボン・ファイバー製となっている。

カーボン・ファイバー製モノセルシャシーは強度が高いので、ルーフを取り外しても補強によって強度を上げる必要はない。結果的に補強分の重量はほとんど増えず、乾燥重量は1270kgを実現。これは、同じくオープンモデルである『650S スパイダー』よりも100kgも軽い数値である。

軽量化はインテリアにも及ぶ。『P1』と同じカーボン・ファイバー製軽量レーシング・シートは2脚あわせて15kgの軽量化に貢献。エアコンさえ取り外され、16kgの軽量化に貢献している。ただし、エアコンは無償オプションとして装着可能なので安心して欲しい。

エアロダイナミクスを追求したエクステリア

エクステリアはエアロダイナミクスの追求を具現化した形だ。押し出しが強いフェイスを形作るフロントスプリッターはエアフローを強力にし、ダウンフォースのレベルが大幅に向上。『650S スパイダー』よりも40%増加した。

リアでは、空力を利用したリアウイング「アクティブ“ロングテール”エアブレーキ」が印象的だ。展開されていない時には目立たないが、高速走行時には自動で空力的安定性を向上させ、急ブレーキ時にはブレーキをサポートし、前方のピッチ(上下運動)を軽減するためにより急角度で展開される。
デリバリーの予定は2016年の夏。3ピース型リトラクタブル・ハードトップは、30km/h以下の走行時でも開くことができるため、オープンエアでの爽快さをより手軽に感じることができる。夕暮れの道で風を感じながら駆け抜けると気持ちが良さそうだ。

Text by Tsukasa Sasabayashi