36年変わらないメルセデス、「Gクラス」最新モデル
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36年変わらないメルセデス、「Gクラス」最新モデル

その車のことは、いまだに、つい「ゲレンデ」と呼んでしまう。若い編集者に、「ゲレンデ?」と尋ねられた。『メルセデス・ベンツ Gクラス』。この「G」は、ドイツ語でオフロード車を意味する「ゲレンデ・ヴァーゲン」の頭文字だ。デビューは1979年。もともとは軍用車を民生用にアレンジしたことから始まる。1989年に2代目へとモデルチェンジするのだが、その後は基本的なスタイリングを保ちながら、細かな進化を重ねてきた。デビューから36年、現行型となってから26年。少なくとも、外観の大幅な変化はないにも関わらず、その支持はまったく衰えない。ある意味、唯一無二の1台といっていいだろう。

最新のエンジンを搭載して進化した『G550』

最新の『Gクラス』は、中核モデルである『G550』とディーゼルエンジンを搭載した『G350d』、そしてメルセデスAMGが手掛ける『Mercedes-AMG G63』『Mercedes-AMG G65』のライナップで構成されている。大きな変更点は、エンジンだ。

『G550』の心臓部は、『Mercedes-AMG GT』『Mercedes-AMG C63』に搭載されている、AMG 4.0LV8直噴ツインターボエンジンをベースに新開発された。最高出力:422PS/310kWで従来比は+34PS/+25kW、最大トルク:610Nmで従来比は+80Nmを達成した。環境性能面では、ECOスタートストップ機能(アイドリングストップ機能)を追加している。
サスペンションは、俊敏性と快適性を高いレベルで両立する電子制御式油圧アダプティブダンピングシステムを搭載。走行状況に応じて、「C(Comfort)」と「S(Sport)」という2つのモードのいずれかを選ぶことができる。ボディの動きを加速度センサーで測定するほか、舵角や操舵速度、ヨーレートなどを計算。各ダンパーのバルブを電子制御により連続的に開閉してオイル流量を変化させ、減衰特性を調整してくれる。

エクステリアはキープコンセプトだが、細かい点で進化が見られる。例えば、新デザインのフロントバンパーと19インチ5スポークアルミホイールを装備。スポーティでアグレッシブな印象を高めている。インテリアは、視認性に優れた新デザインのインストゥルメントパネルを採用した。
『G350d』には最新の3.0LV6 BlueTECクリーンディーゼルエンジンを搭載。最高出力:245PS/180kWは従来比+34PS/+25kW、最大トルク:600Nmは先代比+60Nmにアップした。また、こちらも『G550』と同じく、ECOスタートストップ機能を追加し、JC08モード燃費は10.3km/Lと先代比で21.2%向上している。『Mercedes-AMG G63』『Mercedes-AMG G65』も、それぞれエンジン部分を改良。最高出力、最大トルク、燃費がともにアップした。

復活した伝統カラー「エメラルドブラック」

『G550』には、特別仕様車『G550 エメラルドブラック リミテッド』もラインナップ。「エメラルドブラック」は、1990年代から2006年前後にかけてメルセデス・ベンツの主要モデルに設定されたボディカラーだ。まるでエメラルドが輝くように、見る角度や周囲の明るさによってブルー、グリーン、ブラックと様々な表情を見せる独特な色味が特徴だった。

特に、『Gクラス』では、スクエアなスタイリングと強い個性を際立たせるボディカラーとして人気を博していたが、現在は廃色となっていた。しかし、日本のユーザーから復活の要望が多く寄せられたことで、10年ぶりに復活。古くからのメルセデスファンには嬉しいことだろう。
鈑金技術が向上したことで、現在の車は流線を上手く取り込んだエクステリアが主流になっている。そんななか、昔ながらの角張った無骨なデザインは、クラシカルでありながら強い個性と存在感を与える。一方で、安全性能や走行性能は最新。必要な部分は進化しつつも、変わらない大事さも受け継いでいる。自らのライフスタイルにこだわりを持った大人が『Gクラス』に惹かれる理由は、そのあたりにあるのかもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi