スター・ウォーズの世界を“現実”にする写真展
- 40男のメモリーズ -

スター・ウォーズの世界を“現実”にする写真展

イタリアのファッションブランド「DIESEL」が、世界中から様々なアーティストを招き年4回開催するアート展「DIESEL ART GALLERY」。今回は、シリーズ生みの親であるジョージ・ルーカス監督も絶賛したという『スター・ウォーズ』の世界をモチーフとした「DARK LENS」を開催している。

フランス人フォトグラファーによる「DARK LENS」

40~50代のエディトゥール世代にとって、1977年からスタートした『スター・ウォーズ』シリーズは特別な作品であり、Xウイングやミレニアム・ファルコンといったヴィークルや、ルーク・スカイウォーカーやダース・ベイダーといったキャラクターに胸を熱くした人も多いことだろう。

そのスター・ウォーズに登場するヴィークルやキャラクターが、もし現実の世界に存在したら…というコンセプトの写真を生み出しているのが、パリ在住のフランス人フォトグラファー、セドリック・デルソーだ。彼の日本初となる個展が「DARK LENS」だ。
photo by Philippe Bergonzo

架空の世界とリアルな世界が融合する幻想的な作品

鉛色の空を飛んでいくXウイングと、それをビルの中から見つめるダース・ベイダー。交差する高架道路の向こう側に見える霧の中を行く巨大なAT-AT。荒れ地を2台編成で飛んで行くスカウト・トルーパーの乗るスピーダー・バイク。亜光速ドライブを光らせて建設現場から今まさに飛び立とうとするミレニアム・ファルコン。夜間照明に浮かび上がる建築現場を悠然と眺めるダース・ベイダー…。デルソーによる作品は架空のヴィークルやキャラクターとリアルな世界が一枚の写真の中で重なり、幻想的でありながら圧倒的な現実感を伴って見るものに迫ってくる。DIESEL ART GALLERYでは14点の写真の展示と映像作品を上映、関連書籍の販売も行われている。
Dark Lens, The Falcon’s Flight, Dubai, 2009 (C) Cédric Delsaux
Dark Lens, Two Speeder Bikes, Dubai, 2009 (C) Cédric Delsaux
Dark Lens, Darth Vader, Dubai, 2009 (C) Cédric Delsaux
ジョージ・ルーカス監督は、これらの写真が収録された作品集『DARK LENS』の序文で「これまで多くのアーティストが、『スター・ウォーズ』の映画世界を大きく広げる表現に挑戦してきた。なかでもセドリック・デルソーの作品は異彩を放っている。『スター・ウォーズ』に登場するキャラクターや乗り物を、荒涼とした都市的・産業的―だが紛れもなく地球上の風景と融合させるデルソーの表現手法は、見事としか言いようがない」と絶賛している。

デルソーはパリ郊外の廃れた一角やドバイの建設現場など、人のいない場所や廃墟、まだ生活感のない開発途中の場といった風景にスター・ウォーズの世界を溶け込ませ、独自のランドスケープを生み出している。作品集『DARK LENS』は「Bourse du Talent賞」「Prix du livre d’auteur Arles賞」を受賞、世界各国で展覧会を開催しながら継続して撮影も行われており、新たな作品として進化と深化を続けている。デルソーは本展のために来日した際たくさんの写真を撮影したそうなので、いずれ日本の風景とスター・ウォーズの世界が融合した作品がお目見えすることだろう。

本展は会期末まであとわずか。この機会を逃さないよう、今すぐ渋谷のDIESEL ART GALLERYへ出掛けてもらいたい。そして、フォースとともにあらんことを。

Text by Tamotsu Narita

Photo by Dark Lens, X-Wing & Vader, Lille, 2007 (C) Cédric Delsaux(Main)