出雲大社の天井絵がモチーフの高級万年筆
- 40男が嗜む逸品 -

出雲大社の天井絵がモチーフの高級万年筆

斯界の老舗であるプラチナ万年筆によるこだわりの製品群は、もはや世界に誇る工芸品と呼んで差し支えないだろう。そのプラチナ万年筆が手掛ける、国内最上級クラスの万年筆シリーズが「出雲」である。名前の通り、出雲市が認定する「出雲ブランド」として認定されてもいる逸品だ。そのシリーズの最新作が出雲大社の天井絵をモチーフにした八雲塗り「八雲白檀(やくもびゃくだん)」「銀線八雲(ぎんせんやくも)」「研ぎ八雲(とぎやくも)」という3柄である。

「八雲塗り」の技法を駆使した透明感ある美しさ

「八雲塗り」とは、島根県の伝統工芸のひとつ。下地の工程の後、色漆や金銀粉などで蒔絵を描き、その上から透漆(すきうるし)を幾重にも塗り重ねていく手法だ。時間が経ち、空気や手に触れるほど、漆が透明になり、描かれた絵柄が浮かび上がってくるのが特徴。つまり、年月を経て使い込めば使い込むほど、深みと奥行きのある風合いを醸成する。
(C)プラチナ万年筆株式会社

 

多くの工程と時間を要するこの八雲塗りを駆使した「出雲」万年筆は、当初は出雲大社の大遷宮を記念して限定発売されたものだった。今回は、そのいわば定番化。とはいえ、それぞれに工夫とこだわりを隅々まで施した至高の仕上がりとなっている。共通するのは、万年筆に最適とされる熱を伝えにくいエボナイト軸の採用と、出雲の象徴ともいえる湧き上がる雲海の蒔絵、そして出雲大社の天井絵をモチーフにした色漆の浮雲。全国の神々が集うという出雲の名にふさわしく、どこか神秘的なほどの味わいがある。

手間暇をかけた万年筆をゆったりと育てる

和の職人が手間暇をかけてじっくりと作り上げる万年筆だからこそ、ペン先を育てる愉しみに加え、経年による軸そのものの変化を感じ取る喜びも生まれる。例えば「八雲白檀」の工程はこうだ。 1)エボナイト軸全面に金箔を貼る 2)雲海を銀粉で表現し、アクセントに金砂子(きんすなご)を散らす 3)天井絵をモチーフに色漆で浮雲を描き、その輪郭を銀漆で縁取りして際立たせる 4)仕上げとして透き漆を幾重にも塗り重ねる——。 「銀線八雲」(雲海を銀粉で表現)でも「研ぎ八雲」(浮雲を研ぎ、色漆の積層を複雑に表面に出す)でも、ゆったりと使い続けることで、1本ごとの歴史と味わいをそれぞれに身にまとっていくことができる。
(C)プラチナ万年筆株式会社
(C)プラチナ万年筆株式会社

 

基本デザインはキングサイズのフォルムで、全長154mm(筆記時全長134mm)、最大径18mm。キャップを後軸に差さずに使うキャップオフスタイル設計となっている。手にしっとりとなじむ程よい重量感は、プラチナ万年筆ならではのバランスの良さだろう。専用の桐箱には、光沢感が美しい生地に雲型の飾り紐留めが付いた万年筆袋も同梱されている。

Text by Nin Onodera

(C)プラチナ万年筆株式会社