極北の大地に伸びる道、アラスカハイウェイを旅する
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極北の大地に伸びる道、アラスカハイウェイを旅する

アラスカからアルゼンチンまで南北アメリカ大陸を縦断するパンアメリカンハイウェイ、その北端に位置するのが「アラスカハイウェイ」だ。カナダのブリティッシュコロンビア州ドーソン・クリークから、アメリカのアラスカ州デルタ・ジャンクションに至るハイウェイの全長は、2232km。極北の大地に伸びるこの道には、世界遺産にも指定されている世界遺産クルアニ国立公園やセントエライアス山脈などの雄大な自然が待ち受け、ときには野生動物が顔を出し、夜には空にオーロラが現れることもある。

対日戦略拠点として建設されたハイウェイ

アラスカハイウェイは、カナダ南部のブリティッシュコロンビア州ドーソン・クリークがマイルストーンのゼロマイル地点だ。ここを起点として、ユーコン準州ホワイトホースを経由し、アメリカのアラスカ州デルタ・ジャンクションまでを繋いでいる。この道路は、もともと第2次世界大戦中にアメリカの対日本戦略拠点として、アラスカへの陸路として建設された歴史をもつ。

きっかけは戦中、北アメリカ西海岸とアリューシャン列島に対して日本の脅威が及んだことだ。アメリカが建設費を持ち、戦争終結後にカナダ内の道路や施設をカナダ当局に移管するという合意のもと、1942年に作られた。
(C) Uemura Tomohiro

極北ならではのモノトーンの世界に浸る

アラスカハイウェイの旅の拠点は、カナダ・ユーコン準州ホワイトホースをおすすめしたい。世界遺産のクルアニ国立公園にもアクセスがよく、オーロラを観られる可能性が高い場所として知られることがその理由だ。日本からも、成田からバンクーバー乗り換えで行けるのでアクセスも悪くない。

大自然のなかを駆け抜けるうえ、冬は路面が凍結しているルートが多いため、クルマは当然、SUVのほうがいい。なかでも、広大なアメリカ大陸を走ることを前提としたアメリカ車、たとえばゼネラル・モーターズのフルサイズSUV「GMCユーコン」などはうってつけだろう。
(C) Uemura Tomohiro
「絶景を楽しみたいなら、クルアニ国立公園やセントエライアス山脈の切り立った山々を通過して、アラスカへ向かうルートです。雄大な山々に、ユーコン最大の湖であるクルアニ湖は、地球のスケールを感じられます。時期によっては、野生のドールシープ、ムース、グリズリーなど見ることができますよ」

そう話すのは、ユーコン準州にある少人数制の自然ツアー会社「tNt Nature Connection」代表の上村知弘さん。短期の休みでドライブを楽しむなら、クルアニ国立公園のあるヘインズ・ジャンクションの周辺を走るだけでも十分に楽しめるという。
(C) Tourism Yukon
上村さん自身、写真家としても活動するなど、アラスカハイウェイに魅了された1人だ。

「冬のアラスカハイウェイの魅力は、なんといっても一面真っ白に染まった大自然のなかを走ることができることです。晴れた日には、青空と白い森や山々、凍った湖が視界に広がり、曇りや雪の日も、極北ならではのモノトーンの世界に浸ることができて、またいいんですよ」

さらに、夜になると、頭上にオーロラが現れることもある。もしオーロラを見たいのなら、白夜の6月と 7月だけは外して計画を練って欲しい。

冬だからこそ、あえて極北のアラスカへ向かい、モノトーンに染まった大自然のなかをドライブする。アラスカハイウェイは、そんなワイルドな40男のためのドライブルートなのだ。
(C) Uemura Tomohiro

Text by Taisuke Seki(euphoria FACTORY)

Photo by Uemura Tomohiro(main)