走りも愉しめるアウディ初のプラグインハイブリッド
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走りも愉しめるアウディ初のプラグインハイブリッド

最近、耳にすることが多くなった『PHV』。正式名称は「Plug-in Hybrid Vehicle」といい、家庭用の電源からコンセントプラグを使い充電ができる、EV車とガソリン車の両面を併せ持つ車といったところだ。『トヨタ プリウスPHV』や『三菱 アウトランダーPHEV』など、日本車が一歩先を行く印象だが、最近は欧州メーカーも続々と参入。アウディも初のPHVを発売した。

電気だけで通勤や買い物などの街乗りが可能

『A3 Sportback e-tron』は、 『A3 Sportback』をベースにしたアウディ初の市販プラグインハブリッドモデルだ。ガソリン直噴ターボの1.4 TFSIエンジンに加えて、駆動用の電気モーターとリチウムイオン電池を搭載。燃費は、TFSIエンジンと電気モーターを併用したハイブリッドモードではJC08モードで23.3km/hを達成している。

PHVの特徴である電気モーター単独の走行なら52.8km(国土交通省審査値)。通勤や買い物などの街乗り程度ならば、EV車としての利用も可能。もちろん、電力が尽きたら、ガソリンエンジンで走ることができるので安心だ。

充電ポートは、フロントのシングルフレームグリル内に設置。フォーリングスのエンブレムをスライドさせることで出現する。充電に要する時間は、家庭用200V電源なら最大約3時間。EVモードで走行したときのコストは、電力会社との一般的な契約でも、通常のガソリン車の2分の1程度と試算されている。

電気モーターならではのトルクフルな加速

PHVというと、燃費性能や電気モーターでの走行距離のスポットが当たりがちだが、実は電気モーターの特性を活かした加速性能も魅力のひとつだ。電気モーターは、静止状態から最大トルクを発揮することができるので、スタート時の加速はガソリン車のそれを上回る。『A3 Sportback』は、0-60km/hの加速タイムが4.9秒と抜群の出足を誇る。

また、TFSIエンジンと電気モーターが同時に働く状態では、出力/150kW(204ps)、最大トルク/ 350Nmがフルに発揮され、0-100km/hを7.6秒で加速し、通常のガソリンエンジン車以上のダイナミックな走りを堪能できる。

ドライブモードを選択できるのも、この車の特徴だ。一般的なハイブリッド走行の「Hybrid Auto」、充電量を維持しながら走行する「Hybrid Hold」、積極的にバッテリー充電を行う「Hybrid Charge」、電気モーターだけで走る「EV」モードを含む4種類が準備されている。

スマホアプリで確認や装備の遠隔操作が可能

内外装は、ほぼ『A3 Sportback』を踏襲しているが、エクステリアは5スポークデザインのホイールやフロントグリル、前後バンパー、サイドスカートなどが専用デザインを採用。インテリアではダッシュボードとセレクターレバーに取り付けられたエンブレムのほか、メーターパネル左側に配置されたパワーメーターがe-tronを象徴するアイテムとなっているなど、若干の変更が加えられている。
ちなみに、リチウムイオン電池を積んでいるので、荷室などが狭くなっているのでは、という懸念があるかもしれないが、5人乗りの状態で280L、リヤシーを完全に折り畳めば最大1201Lと、充分なレベルを確保している。

販売開始は2015年11月12日。それに合わせて、『Audi connect e-tron services』と呼ばれる、専用のサービスの提供も開始される。このサービスでは、スマートフォンのアプリを通じて、車両の現在位置、バッテリーの充電レベル、EVモードでの航続可能距離、ドアロックやライト点灯状況など様々な情報を確認可能。また、エアコンやバッテリー充電のタイマー設定、バッテリー充電の終了操作なども遠隔操作できる。

アウディによると、『A3 Sportback e-tron』は「今日乗用車に求められるさまざまな要件を高度に満たした新時代のプレミアムコンパクトカー」との位置づけ。今後、アウディが進むひとつの方向を明確に示唆した1台であることは間違いない。

Text by Tsukasa Sasabayashi