「サーキットの狼」再び、ロータスの最速旗艦モデル
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「サーキットの狼」再び、ロータスの最速旗艦モデル

ロータスという自動車メーカーを聞いて、反射的に『ヨーロッパ』という車名を答えるのは、1970年代に『少年ジャンプ』に連載された「サーキットの狼」に夢中になり、スーパーカーブームに熱狂したアラフィフ世代かもしれない。『ロータス・ヨーロッパ・スペシャル』は、この漫画の主人公、風吹裕矢の愛車としてあまりにも有名だ。その当時からロータスは、レースカーやスポーツカーを得意とするメーカーで、そして、その地位は今も揺るぎない。

3分の2以上が刷新された“ニューモデル”

現在のロータスのフラッグシップモデルは、『エヴォーラ400』。新型は2015年11月10日に日本で披露された。全体のおよそ3分の2以上の装備が一新され、まるで、新モデルといっても過言ではない1台だ。

搭載されるエンジンは、インタークーラー付 3.5LV6スーパーチャージャー。最高出力/298kw(406PS)、最大トルク/410Nm(41.8kgm) を発揮する、ロータス史上、最もパワフルで速いモデルである。スロットルレスポンスを高めることができるスーパーチャージャーを採用するところなど、敏捷性と積極的なドライビングを標榜するロータスらしさの表れだろう。

もちろん、パワフルなエンジンだけでは速さは追求できない。そこには、ライトウェイスポーツを得意とするロータスのコア・バリュー継承が大きく関わっている。それは、徹底した軽量化だ。シャーシはオールアルミモノコックで、ボディはオールグラスファイバーボディ (FRP素材)。軽量リアストラクチャーや鍛造アルミ製ダブルウィッシュボーンスポーツサスペンションなどの採用により、従来モデルよりも22kgの軽量化を実現した。

エンジンのパワーアップと軽量化により、ロータス本社のあるヘセルのテストコースでは従来モデルよりも6秒速いラップタイムを叩き出したという。
その乗り味は、まさにドライバーと車が一体化したような感覚だ。伝統的にレースを重んじるロータスだからこそ、ロードカーとしての期待を裏切らない。それでいて、2+2シーターは、大人4人を乗せることもでき、使い勝手にも配慮が成されている。

従来イメージを覆すマッチョで攻撃的な外観

エクステリアにも変更が加えられた。フロントインテークは大型化され、フロント・スポイラーも装備。リアの形状も従来モデルとは若干異なる。マッチョで攻撃的な外観は、もしかすると、これまでのロータスのイメージとは異なるのかもしれない。一方で、フラッグシップであり、別格に位置する風格があることも確かだ。
車両本体価格(消費税込み)は、MTが1355万4000円で、ATが1406万600円。これは、『ポルシェ 911』と同じ価格帯だ。ポテンシャル的にもライバルといっていいだろう。しかし、『エヴォーラ400』の販売目標は2016年3月までに60台。かつて『サーキットの狼』を読み耽った人のみならず、純粋にドライビングプレジャーを求め、他人とあまり被らないこだわりのロードカーを求める通人にはピッタリの1台かもしれない。

Text by Tsukasa Sasabayashi