Jeep史上最もコンパクトなベイビー『レネゲード』
- スーパーカーブランド【Jeep】 -

Jeep史上最もコンパクトなベイビー『レネゲード』

いまの40代が子どもの頃は、『Jeep(ジープ)』といえば軍用車両の代名詞であり、悪路をものともせずに走り抜ける質実剛健な車という印象だった。その理由はルーツにある。第2次大戦で活躍した連合国軍の軍用車両で、戦後、日本では三菱自動車がノックダウン生産を行い自衛隊などが採用、民生用にも発売されていた。現在はFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルス)グループが保有するブランドとして、現代的なデザインに身を包みつつ、その名やDNAが受け継がれている。

押し出しが強く、キュートさもある個性的外観

そんなJeepブランドから初めて発売されるスモールサイズSUVが『Jeep Renegade(レネゲード)』。フィアットとクライスラーが本格的に共同開発したモデルでもある。テーマは「アーバンサイズ。アドベンチャークラス」。Jeep伝統のパワフルな佇まいと四駆性能を受け継ぎながら、都市に適したボディサイズとスタイリングに合った多目的性、機動性、高級感を強化したという。

最大の特徴は、ボディカラーによって印象が変化するユニークなエクステリアだろう。例えば、ブラックやコマンド(グリーン)のボディカラーは野性的でアグレッシブ。押し出しが強いスタイルにも見えるが、イエローやオレンジになると、一転して非常にキュートな雰囲気となる。

デザインアイコンに見るJeepを受け継ぐDNA

この個性的なデザインは、1941 年に誕生した初代Jeepの『ウィリス』からインスピレーションを受けている。その名残は、伝統の丸いヘッドライトとフロントの「7スロットグリル」、ショートオーバーハング、台形のホイールアーチに見てとれるだろう。

さらに、ヘッドライトやテールランプ、ルーフなどさまざまな場所に使われている「X」のマーク。これは、1940年代の米軍がガソリン運搬用に使用したジェリー缶の表面に描かれたマークをイメージしており、『レネゲード』のデザインテーマとなっている。これらのDNAを現代風にアレンジし、新時代のJeepとして新鮮なスタイリングを実現した。
インテリは、個人的にはややフィアットの質感、テイストが強い印象を受けた。しかし、くだんのXマークやフロントの7スロットグリルなどのテイストをインテリアにも採用することで、Jeepらしさも健在だ。また、現代的なアレンジとして、スキーのゴーグルやブーツなどの「エクストリームスポーツ」からインスピレーションを得たアイコンも散りばめられている。

Jeepたるゆえん、卓越したオフロード性能

気になるのは走行性能だ。いくらスモールSUVとはいえJeepの名を冠しているだけに、自ずと期待も高まる。

心臓部は、グレードによって2種類。前輪駆動の『オープニング・エディション』と『リミテッド』には、小排気量ターボエンジンである「1.4リッター直列4気筒ターボ」と「6速デュアルクラッチオートマチック」の組み合わせが、最上位グレードで四輪駆動の『トレイルホーク』には「2.4リッター直列4気筒タイガーシャーク」と「電子制御式9速オートマチック」の組み合せが搭載される。

エンジンや駆動方式から『オープニング・エディション』『リミテッド』は燃費向上などで街乗りを快適にするオンロード性能が高く、『トレイルホーク』はオフロード性能にもこだわったことがわかる。実際、『トレイルホーク』は、アプローチアングル/30.5度、ランプブレークアングル/25.7度、デパーチャーアングル/34.3度と、乗用車から派生した四輪駆動車では得難いスペックをもつ。

また、走行モードは「Jeep セレクテレイン システム」により、「Auto=自動」「Snow=雪」「Sand=砂」「Mud=泥」「Rock=岩場」から選択可能。急坂を下る際に速度を自動制御する「ヒルディセントコントロール」やオフロード走行時にフューエルタンクやフロントサスペンションなどをガードする「スキッドプレート」なども搭載した。

これら、オフロード性能に特化した装備は、エクステリアやインテリアのアイコン以上に、JeepがJeepたるゆえん。その名を冠するプライドが垣間見える部分だ。

『レネゲード』は、輸入車SUVモデルとして最も廉価な部類に入るのも、嬉しいポイントだ。積み重ねられた歴史とブランドを引き継ぎつつ、現代にあったコンセプトで次世代を見据えた進化を果たしたモデルといっていいだろう。

Text by Tsukasa Sasabayashi