伝統とモダン、フィアットのスモールSUV「500X」
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伝統とモダン、フィアットのスモールSUV「500X」

2015年10月に販売開始となったフィアットのスモールSUV「500X」。輸入車の中では比較的手頃に選べるSUVとして注目されるが、その真髄は、ブランドの伝統と新たな挑戦だ。走りの快適さと個性的なデザインを手にできるモデルの魅力を掘り下げていきたい。

状況によって最適な走りを選べる機能を搭載

満を持しての登場となったフィアットの新機軸となる「500X」。3つのグレードがあり、エンジンは全車1.4L直列4気筒マルチエアターボで、軽快かつ場面に応じた力強い走りを見せてくれる。最上位グレードとなる4WD仕様の「クロスプラス」には、ブランド初であり、同カテゴリでは稀少な9速オートマチックトランスミッションを実装する。任意に変速できるマニュアルシーケンシャルモードへの切り替えも可能で、ドライバーの意思を頼りに、クルマを自在に“操る”という本来の楽しみ方をもたらしてくれる。

また、全グレードに走行状況や路面のコンディションに応じて切り替えられる機能「ドライブムードセレクター」を採用している。通常、街中を走る場合は燃費などに寄与する「『オート』モード」、走りを存分に味わいたいという場合には「『スポーツ』モード」を選ぶといった切り替えも可能だ。もちろん、SUVならではの醍醐味ともいえる、悪路にも適した「『トラクション』モード」を選ぶこともでき、雨天時や凍結路など、足元を気にすべき場面でもサポートしてくれる機能があるのは嬉しい。

500シリーズの過去と現在を繋ぐデザイン

丸みを帯びた特徴的なエクステリアデザインは、1957年代に販売された500(ヌオーヴァチンクエチェント)と、現行の500シリーズをベースに融合を果たしたもの。伝統とモダンを重ね合わせた産物で、ヘッドライトやハイビーム、側面からボンネットまでの流れるようなフォルムは、古きよき先代の匂いを漂わせる。黒を基調としたロアグリルにみられるデザインは、現行シリーズからの流れをくみ、一見、やさしい面持ちに見えるが、にわかに強さと堅牢さも感じさせてくれる仕上がりになっている。
インテリアで目立つのは、座った瞬間、ドライバーの目に飛び込んでくるメーターレイアウト。機能別に振り分けられたスイッチ類は、ドライバーの使い勝手にもつながる。ステアリングには、運転席に向けた角度や長さを調節できる「チルト・テレスコピック機構」が採用されている。それぞれの姿勢に合わせられるため、運転中のストレスを感じさせない工夫もみられる。また、レッグスペースにもゆったりとした空間が設けられているため、長距離の運転時にも、快適さをもたらしてくれる。
グレードは、前輪駆動の「ポップスター」「ポップスタープラス」、そして、四輪駆動かつブランド初の9速AT採用の「クロスプラス」から選べる。世界に数あるブランドの中でも、フィアットはとりわけ個性をより強く発揮してきたブランドだ。日本での販売開始から7年目を迎えた500シリーズだが、500Xの登場により、時代はまた1歩進み始めたようにみえる。

Text by Syuhei Kaneko