美しき建築物のプロジェクトに迫る特別展
- 40男が嗜む逸品 -

美しき建築物「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」のプロジェクトに迫る特別展

「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を1989年に受賞した、世界的に有名な建築家フランク・ゲーリー氏が手がけた「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」。そのプロジェクトを紹介するエキシビションが、東京・表参道にある「エスパス ルイ・ヴィトン東京」で開催中だ。

ブローニュの森に出現したガラスの船

フランス・パリ西部のセーヌ川沿い、19世紀半ばに開場したロンシャン競馬場や、テニスのグランドスラム大会である全仏オープンが開かれるローラン・ギャロスなどを有する広大な森林公園「ブローニュの森」。この公園の北側に、巨大なガラス屋根を持つ美しい建築物がある。カナダ出身で、アメリカを拠点に活躍する建築家フランク・ゲーリー氏によって設計され、2014年10月に完成した「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」だ。
The Fondation Louis Vuitton/(C)IWAN BAAN, 2014
「フランスの深い文化的使命感を象徴する壮大なガラスの船」とゲーリー氏が称するフォンダシオン ルイ・ヴィトンは、「現代アートの新たなスペース」という趣旨のもと、フランスおよび世界に対して現代アートを広め、推進していく使命を持ち、文化に対して独自の世界観を展開するルイ・ヴィトン財団によって作られたものだ。同館では所蔵する現代アートの展示や企画展、音楽ホールでのコンサートなどが開催されている。

このフォンダシオン ルイ・ヴィトンのオープニングプログラムの一環として開催されたのが、ゲーリー氏の建築プロジェクトを紹介するエキシビションだ。2015年夏には北京でも開催され、大きな成功を収めたという同展が現在、東京・表参道にあるエスパス ルイ・ヴィトン東京で「フランク・ゲーリー / Frank Gehry パリ – フォンダシオン ルイ・ヴィトン 建築展」として開催されている。

フォンダシオン ルイ・ヴィトン建設の全貌を紹介

2011年1月にオープンし、これまで様々なエキシビションを開催してきた「ルイ・ヴィトンにおけるアーティストとの関わりやその深さを体現する場」であるエスパス ルイ・ヴィトン東京で2015年10月17日から始まった本展は、フォンダシオン ルイ・ヴィトンの建築プロセスの全貌を紹介するものであり、この展示自体が光と動きに重きが置かれたインスタレーション作品となっている。

初期のスケッチからプロジェクト期間中に制作された模型などが展示され、「敷地への融合」「プログラム分析」「プロジェクトの構想」「内部空間」「アイスバーグ(氷山)」「ガラスの帆」という6テーマに分けて紹介されている。19世紀末に見られたガラスによる建築物と庭園に着想を求め、線や形を様々に組み合わせることで全く新しいスタイルが生まれ、さらには建物を覆うガラスを制作するために特別な窯が考案されるなどの革新的な技術をも投入し、設計通りの曲線や躍動感を再現した過程を見ることができる。
(C)LOUIS VUITTON/YASUHIRO TAKAGI
ゲーリー氏はフォンダシオン ルイ・ヴィトンについて「絶えず変わりゆく世界のように、その日の時間や光の加減で表情を変える建物を構想したいと考えました。時は一瞬たりとて同じではない、そのはかなさを感じてもらえるように」「それはどんな型にもはまらない特殊な建物だ。私は今までにこれと類似した建物はデザインしたことがない」と語っており、同建築はフランス、アメリカで数々の賞を受賞、さらにハーバード大学が建築課程でのプログラムに組み入れるなど建築関係者からも高い注目を集めている。
(C)LOUIS VUITTON/YASUHIRO TAKAGI
すでに21世紀を代表する建築物となったフォンダシオン ルイ・ヴィトンを多角的に、そして美しく紹介する本展。会期は2016年1月31日まで、しかも入場は無料。デートスポットのひとつとして気軽に足を運んでみてほしい。

Text by Tamotsu Narita

Photo by (C)LOUIS VUITTON/YASUHIRO TAKAGI(Main)