初のフルモデルチェンジを果たした先駆者『BMW X1』
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初のフルモデルチェンジを果たした先駆者『BMW X1』

多くの自動車メーカーがこぞって参入しているプレミアムコンパクトSUV市場。手頃なサイズながら上質感をまとったプレミアムコンパクトSUVは、時代のニーズとマッチし、売れ筋のセグメントとして確固たる地位を築いた。その先陣を切ったのが、2010年に発売された『BMW X1』である。販売台数は、世界中で73万台。そんな人気車種が、初めてのフルモデルチェンジを行った。

『X1』がSUVではなくSAVと名乗る理由

「駆けぬける歓び」を掲げる矜持からだろうか、BMWは『X1』をコンパクトSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビーグル)ではなく、コンパクトSAV(スポーツ・アクティビティ・ビーグル)と位置づけている。確かに、ユーティリティ=有用性よりも、アクティビティ=活動のほうが字面から与える印象も軽快な走りを想起させる。実際、『X1』のドライビング・ダイナミクスは、運転手の期待を裏切らない。

新開発のサスペンション・システムやねじれ剛性が高いボディ、摩擦抵抗を抑えたステアリング・システムに加え、低重心化、空力特性を向上させるさまざまな対策により、BMWらしい俊敏なハンドリングを提供するとともに、高いレベルの走行快適性を実現しているのだ。

『X1 sDrive18i』の駆動方式はFRからFFへと変更されたが、『X1 xDrive20i/25i』は四輪駆動。「xDrive」は、車両データからオーバーステアやアンダーステアなどの兆候を察知すると、瞬時に前後アクセルへの駆動トルクを可変配分し、優れたロード・ホールディングを実現する。BMWならではの俊敏性と四輪駆動が持つ長所である走行安定性が高次元で融合されているといっていいだろう。

エンジンとトランスミッションだが、『X1 sDrive18i/xLine/M Sports』は1.5L直列3気筒と6速AT、『X1 sDrive20i/xLine/M Sports』は2.0L直列4気筒と8速AT、『X1 sDrive25i/xLine/M Sports』は『20i』よりもトルクと出力が大きい2.0L直列4気筒と8速ATの組み合せ。どのエンジンもツインパワーターボを搭載している。
ややグレードが複雑なので簡単に整理すると「xLine」は逞しさをさらに強調したパーツを纏ったモデル。「M Sports」は、ダイナミックなスタイリングと走りを強調したモデルとなる。

先代よりもSUVらしくなったプロポーション

もちろん、ベース車両のエクステリアデザインもそもそも逞しく、力強い。先代モデルに比べ全長が30mm短くなり、全高が35mm高められたことにより、よりSUVらしい力強いプロポーションを実現。フロントマスクは、BMW伝統の4 灯式ヘッドライトと直立した大きなキドニー・グリルにより、特有の精悍でスポーティーな顔つきに仕上がっている。
インテリアは、ドライバーに向けて僅かに角度がつけられたセンター・コンソールを備え、すべての重要な操作系が手の届く範囲に配置されている。コックピットと呼ぶに相応しい、ドライバー目線のつくりだ。
後席には用途や乗車人数に合わせて居住性とラゲージ・ルーム容量を自在に調節することができるスライディング機能を装備。2 列目シートは、用途に応じて40:20:40 の3分割に倒すことが可能だ。ラゲッジルーム容量も先代と比べて85Lアップの505Lを確保。後席を倒すと最大1550Lにまで拡大する。
検討の際に重要な要素となる安全面だが、カメラにより前方の監視を行い安全なドライビングに貢献する「ドライビング・アシスト」を全車標準装備しているのも嬉しいポイントだ。

駆け抜ける歓びと使い勝手を両立させ、よりSUVらしいエクステリアを帯びた新型『BMW X1』。見た目、動力性能、プラットフォームまでが一新され、まさにフルモデルチェンジと呼ぶに相応しい1台となった。

Text by Tsukasa Sasabayashi