3部構成で見せる佐藤オオキ「nendo」の世界
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3部構成で見せる佐藤オオキ「nendo」の世界

現在、東京・表参道GYREにて、佐藤オオキが代表を務めるデザインオフィス「nendo」の個展「nendo 3/3」が開催中です。9月11日から11月22日まで、3つの展示を3週間ずつ連続して公開してゆくユニークな形式で、そのテーマは「モノとその周辺の関係性」から生まれたデザイン。異なる切り口で構成された3つの展示を続けて鑑賞することで、1つのメッセージを感じることができます。

「世界が尊敬する日本人100人」に選出

nendoは1977年生まれのデザイナー佐藤オオキが2002年に設立したデザインオフィス。建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと多岐に渡る仕事を手がけており、米Newsweek誌の「世界が尊敬する日本人100人」にも選出。nendoは、同誌の「世界が注目する中小企業100社」にも選ばれています。

事実、イギリスのインテリア雑誌「Wallpaper*」や「ELLE DECO」などが発表する賞で、デザイナー・オブ・ザ・イヤーを最年少で受賞。以降も世界的なデザイン賞を数々受賞し、作品はニューヨーク近代美術館やポンピドゥーセンター、ビクトリア&アルバート博物館など世界各国の美術館に多数収蔵されています。

そんな気鋭のデザイナー注目の展示は、表参道のアートギャラリースペースにて3つの展示を3週間ずつ公開してゆく「nendo 3/3」。

1つめの展示「nendo 1/3 ヒト モノ スキマ」は、今夏ミラノ万博で公開された「colourful shadows」の巡回展。ギャラリーの小部屋を繋ぐように構成されたテーブルに、日本各地の職人の技術から着想を得たデザイン16種を展示。いずれも手作りによる微細な表情の違いを際立たせるため、全ての作品が黒一色に統一されていました。

「世界が尊敬する日本人100人」に選出

日本初公開の「border table」「nest shelf」

これから鑑賞できるのは「nendo 2/3 ヘヤ モノ スキマ」と、「nendo 3/3 モノ モノ スキマ」の2つの展示です。

「nendo 2/3」では空間の「キワ」から派生したという小さなテーブル「border table」の初披露の場。それぞれ別個に考えられた家具を空間に配置するのではなく、空間から家具を考えることで、両者のスキマを埋めてゆく試み。

border table自体は5mm角の金属棒の一部に、直径わずか100mmの小さな天板がついたごく小さなテーブル。これらをギャラリーの壁のスミやカド、床のキワ、展示台などにまるで寄生するかのようにレイアウトすることで、空間と家具の間に新たな関係性が生まれることを期待しているのだそうです。

日本初公開の「border table」「nest shelf」

「nendo 3/3」では2015年のロンドン・デザイン・フェスティバルで発表した「nest shelf」を中心に、モノとモノの関係性に着目してデザインされた作品12点を展示。

モノのスキマに別のモノを隠せてしまう「nest shelf」に、モノのスキマに機能を与える「scissors」「press lamp」、モノのスキマから生まれた造形の「overflow」、ひとつのモノを細かく分類することで見えてくるスキマを考える「rain bottle」など、いずれも興味深いものばかり。

作品のほとんどがコンセプチュアルで、実際に買ったり使ったりとなると、それなりの意識の高さが必要ですが、自宅のインテリアを考える上での刺激となることは間違いない本展。果たして佐藤オオキが伝えたいメッセージとは何か?を考えながら、残り2つの展示と向き合ってみてはいかがでしょうか。

Text by Jun Kumayama

Photos by Masaya Yoshimura