スタイリスト中島貴大の「大人アイテムの見立て方」
- 男の嗜み見聞録 -

人気スタイリストが選ぶ、オトナの色気を覗かせる筆記具

スーツ姿は、どうしても画一的な印象になりがち。日々の着こなしで印象を作るのは骨が折れるだけに、毎日持ち歩く“ワンポイント”を印象的なものにして演出するのはいい手だ。そこで注目したいのがビジネスマン必携アイテムのひとつである「筆記具」。人気スタイリスト・中島貴大(写真右)の目線で、“ダンディズムの砦”といっても過言ではない「エス・テー・デュポン 銀座ブティック」で、男を上げる筆記具をセレクトした。

細身にして機能的!ケネディ一族をルーツに持つペン

セレクトの1本目は、ジャクリーン・ケネディのリクエストから作られたという「クラシック・ヴィンテージ」(左・純正青漆4万5360円。右・ゴールド仕上げ純正赤漆クリップ3万9960円)。「ペンとしてはもちろん、内部を換装することでシャープペンシルとしてご利用いただけます」と店長の矢澤さん(写真左)がいうように、さりげなさと機能性が魅力だ。豊富なカラバリとともに、“細身ながらキャラの立つ”一本の色気は1つ星といったところか。

定番の1本は、実は日本の伝統工芸を取り入れていた!

「この黒い塗装には、純正漆を使っているんです。海外ブランドではありますが、伝統的に自社工場で漆の加工を施しています。漆加工を施した製品には、ペン先に小さく漆の葉っぱが刻印されています」と矢澤店長が語る2本目は、同社の定番品としても知られる「ラインD リング」(7万5600円)。塗装のオリジナリティといい、細かな細工といい、細部にチラリと見せるおしゃれはまさに隠れたダンディズム。星2つに値する艶っぽさといえる。

流線フォルムに秘められた、最新テクノロジー

「セラミックとアルミニウムを化合させた革新的な新素材セラミウムA.C.T.を使っていて、軽くて丈夫なんです」と矢澤店長が語る「ストリームライン・R」(7万6680円)は、なめらかな筆運びを可能にするローラーボールペン。同社の技術革新が感じられる1本には、1930年代アメリカの産業界のプロダクトデザインを席巻した、ストリームライン(流線型)からインスピレーションを受け、台座とともに、流線的でグラマラスなデザインが与えられ、まさに3つ星のセクシーさだ。

お値段400万円!ゴージャスすぎる特別なボールペン

最後に紹介するのは、「ブラック・ナイト ダイヤモンドコレクション」(401万9760円)。このとんでもない値段の理由は、ふんだんにちりばめられたダイヤモンドと超絶技巧により施された細工。「中世のヨーロッパの騎士をモチーフにしたデザインです」と矢澤店長。ずっしりと重く、絢爛豪華に光り輝く様は、持ち手を選ぶほどの逸品だ。ちなみに台座についた剣はペーパーナイフ。ポケットに指す…なんてカジュアルな使い方は恐れ多いペンだが、挑戦すれば“色気”どころの話ではない注目度かもしれない?
143年の歴史があるブランドだけに、製品のひとつひとつすべてにストーリーや文脈がある。話を聞いているうちに、引き込まれてしまうような“引力”を感じた。その一方、マクラーレンやローリングストーンズなど、他業種とのコラボレーションを積極的に行う柔軟性を持ち合わせていることも同社の特徴だ。ブランド小物を身につけるということは、美しさとともにストーリーやブランドの姿勢を背負うことにほかならない。身につければ、きっとその価値がわかるハズだ。

Text & Item select by Takahiro Nakajima

Photographs by Seiji Sawada

Editorial by Masayuki Kisyu