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- 西川淳のスーパーカー聖地巡礼 -

「ウラカン&アヴェンタドール」最新ランボルギーニを試乗してきた!

創立50周年を経てヘリテージも充実し、新型モデルのセールスも世界的に好調なランボルギーニ。その本社に潜入し、歴史的モデルの試乗から、工場&ミュージアム見学…ふだんは滅多に入れないデザインセンターまでランボルギーニのすべてを紹介します

アヴェンタドールは超硬派?!

前回はランボルギーニ本社から、ランボルギーニの歴史について語りましたが、今回からはお待ちかねの最新モデル試乗記に移ります。

まずはアヴェンタドール・ロードスター。

700PSを誇る6.5リッター自然吸気V12エンジンをドライバーの背後に積む、いわゆるミッドシップのスーパーカー。アヴェンタドールは今、世界で唯一、その形式(12気筒の自然吸気エンジンをリアミッドシップにする)を貫くモデルです。カウンタック以来のシザードア(ガルウィングとは言いません)をもつアグレッシブなスタイリングと相まって、これぞ真のスーパーカーという存在でしょう。
ロードスターモデルでは、二分割のカーボンファイバー製ルーフを外し、タルガトップスタイルでオープンエアを楽しむことができます。取材はまだ夏真っ盛り。直射日光を心配しましたが、里璃さんは全く気にならない様子。むしろ、気持ちよさそう。

「わたし、父や兄の影響でクルマが大好きなんです。きっとうらやましがるだろうなぁ。アヴェンタドールに乗せてもらったなんていうと〜」

 里璃さんを乗せたアヴェンタドール・ロードスターは、エミリア・ロマーニャの小さな村々を抜け、畑を突っ切って、山へと向かっていきます。イタリアの田舎道は日本と同じように狭くて荒れているところが多いのですが、交通量が少ないため、さほど気を遣うことなくドライブを楽しめます。乗り込む前は“でっかいな〜”という感じなのですが、乗ってしまえばサイズの合ったバトルスーツのようなもので、想像以上に車両感覚も掴みやすく、農道でのすれ違いの対向も気になりません。

とはいえ、そこはランボルギーニのフラッグシップモデルです。乗り心地はやっぱりハード、里璃さんもさぞかし心地悪いのではと聞いてみれば、「これくらい硬派な乗り心地の方が、スポーツカーらしくていいと思いますよ!」と、頼もしい。

バイパス道路に出たので、V12エンジンに少しだけ喝を入れてみました。野太く盛大なエグゾーストノートとともに、車体が一瞬沈んだかと思うと、背後から巨人の指で弾き飛ばされたかのように加速します。これにはクルマ好き里璃さんも、さすがに目をまんまるにして驚いた様子。0→100km/h加速3秒の実力は、まったくもって侮れません。何度も試してきたボクでさえ、加速を試みるたびに“やっぱり凄いわ”、と思うのですから。
ちょっとしたワインディングロードに入ってきました。ここでは、コーナーでの安定感を楽しみながら、徐々に速度を上げていきます。「けっこうなスピードで走っているのに、まったく怖さを感じないですよね。でも、ちょっとしたジェットコースターのような楽しいスリルはあって。とっても好きになりました」。これから里璃さんのエスコートドライバーを務める男性はクルマ選びが大変だろうな、と余計なお世話のひとつもやいてみます。

本日の臨時(?)ドライバーを務めるボクはというと、ワインディングロードに入ってからは、ついつい里璃さんの存在を忘れてドライビングに夢中になってしまうのですから、エスコート役としては失格ですね。それにしても、アヴェンタドールで走るワインディングロードは楽しい!の、ひと言。速度を上げれば上げるほど、車体のしなやかさは増し、動きにリズム感が出てきます。豊かなトルクを右足で微妙に調節しながらコーナーを次から次へとクリアしていく快感は、正に現代のスーパーカー。それをオープンエアで満喫できるなんて、贅沢この上ない。しかも、ここはイタリア……。里璃さんの存在を忘れてしまうのも、ムリないと思いませんか?

ウラカンは、デート向き?

午後は、クルマを入れ替えて、ウラカンです。贅沢ですね。最新モデルを立て続けに乗り比べ、なんて。

しばらくゆっくり走らせていると、里璃さんがひと言。「アヴェンタドールと違って、ずいぶん落ち着いた感じですね。乗り心地もいいし、なんか全体に柔らかくって、洗練されています。雰囲気も、男の子っぽいけどオシャレ。デートに連れていってもらうなら、こっちかなぁ」。

さすが、里璃さん、鋭いですね。お父さんやお兄さんに鍛えられただけはあります。ウラカンの持ち味は、ランボルギーニらしさをキープしたうえで、すべてにおいてリファインされているところ。それは例えばインテリアの仕立てにも現れていて、アヴェンタドールがどちらかというと男の仕事場、ザ・コクピットな雰囲気だったのに対して、ウラカンのそれはスポーティだけれどもラグジュアリィさもある。今流行りの、オシャレの上手なアスリートのような装いです。
帰りはいきなりワインディングロードでぶっ飛ばすことになりました。アヴェンタドールよりも随分と小さくまとまって走るような感覚で、何をするにも思いのママ、ドライバーが自由にコントロールできているという感覚があります。これは、ドライバーのみならず助手席にも伝わっているようで、「ものすごく軽々とドライブされているように見えます」と、またまた鋭い観察力。そう、ウラカンのドライビングフィールで最も好ましいのは、走る、曲がる、停まる、の各動作において、それぞれの始まりが相当に軽やかだということなのですから。しかも、各動作が柔らかい。アヴェンタドールのような硬質感はありません。引き締まっているのだけれど、当たりは優しい。

だからといって、ウラカンは軟弱なスーパーカーだ、と思うのは早計です。クルマが軽く小さいぶん、加速ダッシュは強力そのものですし、独特のV10エンジンサウンドも聞き応え十分。クルマのキャラクターを自分の好みに変えることができるのですが、それをSPORTSもしくはCORSAモードにすれば、アヴェンタドールに負けず劣らずスパルタンなスポーツカーに変身します。

高速道路でも、非常に安定した走りをみせてくれます。電制制御4WDシステムと、磁性流体を使ったダンパーシステム(MRS)のおかげで、直進時の安定感がずば抜けていい。以前、テストコースで300キロを体験しましたが、まったくもって恐怖感なく走ってくれました。
再び、サンタガータの村が近づいてきたようです。一般道でのウラカンは、本当によくできたスポーツサルーンのような乗り心地で、これには里璃さんも大満足のよう。ちょっと眠気も誘ったようですから。

里璃さんは、どちらがお好き?

「そうですねぇ、好きなのはやっぱりワイルドなアヴェンタドールかなぁ。でも、ドライブに行くならウラカンですし。ウラカンのオープンってないんですか?え?もうじき出るんですか!(*取材後のフランクフルトショーで発表されました)だったら、それもいいですね。自分で乗るならウラカンでしょうし。アヴェンタドールは、やっぱり男の子の乗り物って感じがします。キャラクターがこれほどまでに違うとは、思ってもみませんでした。横に乗っていても分かるんですもの。楽しいですね〜、スーパーカーって」

なるほど。女性がときめくのはウラカン、アヴェンタドールは男の子の乗り物、と。確かに言い得て妙かもしれませんね。

次回はランボルギーニ本社ファクトリーへ!

さて次回は、いよいよランボルギーニ本社への訪問記。ランボルギーニ本社のファクトリーを余すところなく解説します。普段は滅多に入れないカーボンファイバー工場にも潜入成功!お楽しみに!