メルセデス・ベンツが送り出すディーゼルHV「Sクラス」
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メルセデス・ベンツが送り出すディーゼルHV「Sクラス」

メルセデス・ベンツの最上級セダン「Sクラス」には、従来からV8、V12ガソリンエンジン、ガソリンハイブリッド、プラグインハイブリッドと幅広いパワートレーンがラインナップされてきた。ここに新たに投入されたのが、日本初のディーゼルハイブリッド乗用車となる、「S300h」だ。20.7km/Lの低燃費と1000万円を切る価格が魅力的な、新しいSクラスのエントリーモデルである。

V8エンジンと同等の最大トルクと低燃費を両立

ハイブリッド大国の日本において、これまでありそうでなかったのが「ディーゼルハイブリッド」という存在。今までもヨーロッパではプジョーなどがディーゼルハイブリッドを設定していたが、日本ではこの「S300h」が乗用車初となる。最高出力150kw(204PS)、最大トルク500Nmを発生する、2.2リッター直列4気筒ディーゼルターボに、最高出力20kw(27PS)、最大トルク250Nmの電気モーターを組み合わせたパワートレーンは、最新のV8エンジン搭載車と同等のトルクを実現している。4気筒といっても、走りの質感やパフォーマンスを心配する必要はないのだ。

それでいてJC08モード燃費は、20.7km/L(ロングは19.5 km/L)だから、車重2トンを超える大型サルーンとしては驚異的という他ない。なお、トランスミッションは7速ATを搭載する。

「エクスクルーシブ」や「ロングボディ」も設定

「S300h」のラインナップは、全3タイプ。すべて右ハンドルのみで、ベーシックな「S300h」、ナッパレザーシートやAMGスタイリングパッケージなどを装備する「S300hエクスクルーシブ」(下の写真)、V8エンジンを搭載する「S550ロング」と同等の装備を持つ、ロングホイールベースの「S300hロング」(メイン写真)が設定される。「S300h」は、Sクラスシリーズで唯一、1000万円を切るプライスタグがつき、Sクラスのエントリーモデルとしての役割も持っている。
エントリーモデルとはいえ、メルセデスの旗艦車種、Sクラスである。ベーシックな「S300h」でも、連続可変ダンパーとエアサスペンションを電子制御することで、快適な乗り心地を実現する「AIRマティックサスペンション」や先進の安全システム「レーダーセーフティパッケージ」など、装備の数々をあげれば枚挙にいとまがない。9色のボディカラーは全タイプで共通。インテリアは、「S300h」と「S300hエクスクルーシブ」が3色、「S300hロング」では4色から選択することができる。

古くからS280やS320といったSクラスのベーシックモデルは、エントリーモデルであると同時に「玄人好みのモデル」でもあった。あり余るパワーや華美な装備はいらないという人が一定層、存在するのだ。こうした人たちが、装備やパフォーマンスに優れた燃費性能まで手に入れた「S300h」をどのように評価するのかは気になるところ。初めてSクラスに触れる人にとっても、クルマを知り尽くした人にとっても、新しいサルーンの世界を教えてくれる1台になりそうだ。

Text by Muneyoshi Kitani