最新型Vespaに、アルマーニとのコラボモデルが登場
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最新型Vespaに、アルマーニとのコラボモデルが登場

ベスパといえば、イタリアが誇るスクーターの代名詞だ。『ローマの休日』ではアン王女の冒険の象徴であり、『探偵物語』では松田優作のハードボイルドを表現する重要な小道具でもあった。およそオートバイの類に興味のない人たちをも魅了する優美なスタイリングは、現代においても不変の哲学を貫いている。そのベスパの最高級シリーズに、あのエンポリオ アルマーニとのコラボモデルが登場する。

芸術的なネオ・クラシックデザインと最新テクノロジーの融合

レトロフューチャーでありながら近未来的なネオ・クラシックデザイン。かつて銀幕の向こうに見た自由の象徴を、往時の雰囲気を保ちながら現代的に蘇らせたのが「Vespa 946 Emporio Armani」だ。ベスパの生産元であるピアッジオ社の設立130周年、そしてジョルジオ アルマーニ社の設立40周年を記念したこの1台は、まさにプレミアムな最高級スクーターだ。

思えばベスパという乗り物は実に不思議だ。元々は第二次大戦後、イタリアにおける大衆向け小型スクーターとして誕生し、庶民の足として普及した実用車だった。しかし、その美しいフォルムと独自の設計思想は、ほかのどんなスクーターやオートバイとも異なる存在感を放ち、二輪市場に「ベスパ」という独自カテゴリーを形成してしまった。

そのベスパの量産第一号機「Vespa 96」の誕生から約70年が経つ。スクーターの性能が飛躍的に向上した現在においても、ベスパの根幹を成す哲学は一切変わっていない。航空機を元にした一体成型のスチール・モノコックフレーム。タイヤ交換を容易にする片持ちのフロント・サスペンション。そして上半身をまっすぐ立てる“乗馬ポジション”は、最新のテクノロジーと電子制御技術を詰め込んだ「Vespa 946」においても、個性的なライディングフィールを体験させてくれる。

特別なロゴを光らせて、アルマーニのスーツで乗りこなしたい

一昔前のオールド・ベスパを知っている人なら、ベスパは「乗りづらく、壊れやすい」という気難しいイメージをもっているだろう。かつての混合給油式の2ストローク・エンジンや、手元でシフト操作を行うハンド・チェンジ機構は乗り手に慣れを要求した。だが、今のオートマチック・ベスパは、そうしたネガティブな「ベスパらしさ」を完璧に克服し、まったく現代的なスクーターとして生まれ変わっている。

「Vespa 946 Emporio Armani」が搭載するエンジンは、わずか155ccと小さなものだ。しかし、あくまでも気軽な街乗りを前提とした場合、その走行性能と環境性能のバランスは理想的ですらある。足回りには前後12インチの大径タイヤに加え、ABSとASR(トラクションコントロール機能)が標準装備されており、ラフなアクセル&ブレーキワークも安全にサポートしてくれる。久しぶりに二輪車に乗るライダーにとっても、安心感を与えてくれるだろう。

そして特筆すべきはフォルムと仕上げの美しさだ。イタリア生産にこだわり、一台一台ハンドメイドで組み上げられるボディは、細部に至るまでイタリアの職人魂が込められている。また、ヘッドライト上部にあしらわれた鷹のエンブレムをはじめ、ボディ各部に配置されるエンポリオ アルマーニのロゴは、最上級のプレミアムモデルであることを強調している。
価格は139万8000円で、街中の「足代わり」に使うことが一般的な150ccクラスのスクーターとしては唯一無二の高額だが、その矛盾すら楽しめる余裕を持った大人にこそふさわしい特別な一台といえそうだ。なお、国内での受注開始は2015年9月11日からとなっている。

Text by Aohiko Sato